[ Interview ]
Ask The Style
eteをつけて、どこへいく?何をする?
vol.1 カイノユウ KAINO Yu
Videography_Naoki Usuda
Interview&Text_Moe Nishiyama
Direction_Yuri Tanaka
Produce_Yohsuke Watanabe(IN FOCUS)
Location_coffee&baked LOCASA
いつも“私らしく”いるひとは、魅力的。
日々の感覚に寄り添うeteのジュエリーを身に着けて、今日はどこに行こう、誰と会おう。
今回お話を聞くのはモデルの傍ら、自身のルーツに向き合い日本茶ブランド『SA THÉ SA THÉ』のディレクターとして活躍するカイノユウさん。
そのスタイルの軸になっているものは?
型にハマらない哲学と美学、自分の感性で日々を楽しむヒントを教えてもらう。
自然体でいるための“引き算”の美学
ひと足早い初夏の訪れを感じる、シンプルなサマーニットにパリッとしたホワイトコットンの羽織。シルバーで統一したジュエリーを合わせた爽やかなスタイリングが印象的なカイノさん。モデルという仕事柄、さまざまなスタイルを着こなす彼女にとって、自身のファッション観の軸はどこにあるのだろう。
「アパレルショップで働いていた10代から20代前半にかけては、どんなに着心地が悪くてもモードで構築的な洋服を好んで着ていたんです。ピアスもネックレスも指輪も、とにかく足し算で重ね着け。アイメイクもバッチリキメて、自分とは違うキャラクターをつくり上げていました。けれど大学を卒業して、モデルとして本格的に仕事をするようになってからは徐々に削ぎ落とされていって、自分に似合うものを選ぶようになりました。好きなブランドの世界観に自分が合わせるのではなく、あくまで自分主体。モデルの仕事をしていると、何者かにならなくてはいけないというプレッシャーがあります。だからこそ反対に、自分はどんな存在なのかと考えるようになったのかもしれません」
ジュエリーは肌馴染みのよいものを選びたい
時代を生き抜くために。お守りとして古代から身に着けられてきたジュエリーの根源にインスピレーションを受けたeteの“roots”コレクションは、変化に柔軟に対応するしなやかさと、芯の強さを持ち合わせたデザインが魅力。木の根をモチーフに緩やかな曲線を描くピアスに、シルバーのリング、ネックレスを合わせて。ジュエリーを選ぶとき、等身大の自分でいるためにカイノさんが大切にしていることを教えてもらった。
「足していくというよりも引いていく感覚で、必要なものだけを吟味して選ぶようにしています。ピアスが素敵だったらリングやネックレスはあえて引いてみる。ボリュームのあるジュエリーをつけるときは他と合わせたりせず、ひとつだけで。自分の身体にしっくりくるバランス感覚を大切にしています。洋服も一番自然体でいられるものを選ぶのですが、eteのジュエリーは着け心地がよくて肌に馴染むので、着けているのを忘れてしまいそうになりますね(笑)。とくに木の根がモチーフになっている有機的な曲線は年月を感じさせる表情が素敵で、古着と合わせてみたいなと思いました」
ルーツの結晶。お茶のひとときは自分を知る時間
モデルとして活躍する傍ら、故郷静岡県の日本茶を使ったブランド『SA THÉ SA THÉ』を立ち上げたカイノさん。幼少期から身近な存在だったという日本茶は、日々の生活においても欠かせない存在だ。実家がお茶問屋だったという自身のルーツに向き合うきっかけはなんだったのだろうか。
「がむしゃらに仕事をこなしてきた20代も後半に差し掛かる頃、コロナ禍にふと、なぜ自分はモデルをやっているんだろう、と原点に立ち返る時間がありました。両親と話したり地元のお茶農家さんたちのお話を聞くなかで、それぞれに抱える熱い思いをその人たちのなかにだけとどめてしまうのはもったいないなと。幸い自分は仕事柄、SNSを見てくださる方も多いので、“伝える”という役目を担うことができるのではないかという思いではじめたのが『SA THÉ SA THÉ』です。扱っているのはコーヒーを飲んでいる方にとっても飲みやすい和紅茶をはじめ、緑茶やほうじ茶など、友人にも実際に試飲をしてもらって意見をもらいながら、飲む人それぞれのライフスタイルを想像するようにブレンドを考えています。卸先も友人が世田谷で営むカフェ「LOCASA」をはじめ、ご縁のあるお店。私自身、ふだんお仕事が終わったあと、一杯のお茶を飲んで一息つく時間が、自分の気持ちや身体の状態を知るひとときになっていますね」
HER STYLE KEYWORDS
印象を司る小物でスタイリングに遊び心を
ちょっとした出先でも、等身大の自分のスタイルを楽しむために。引き算の美学に欠かせないのは肌色に合うオレンジブラウンのリップ。最近集めはじめたというメガネは、普段と少し違った自分の表情、メンズライクな印象を楽しみたいときにスタイリングに取り入れる。日々の自転車移動にも欠かせない、長財布やメイク道具を入れられる、コンパクトすぎないバッグに、印象を司る小物を入れて。
カイノユウ|Yu Kaino
静岡県出身。2014年モデルデビュー。雑誌、カタログ、広告を中心に活躍。2020年、コロナ禍が一つのきっかけとなり、慣れ親しんだ存在である日本茶が同世代の人たちにとっても日常のものとなってほしいと願い、日本茶ブランド「SA THÉ SA THÉ(サテサテ)」を立ち上げる。
Yu Kaino Instagram @kainoyu
SA THÉ SA THÉ Instagram @sathe_sathe_official