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[ Interview ]

Do things my way

スタイリスト金子綾と考える
服とジュエリーの心地よい法則

Guest_Aya Kaneko
Photography_Yuka Uesawa
Interview&Text_Keisuke Honda
Direction_Yuri Tanaka
Produce_Yohsuke Watanabe(IN FOCUS inc.)

等身大でありながら常に個性を際立たせる金子さんならではのスタイル。その秘訣は今の自分に合った色味やフォルム、素材感の見極めにあるのだそう。年齢とともに変化していく、洋服やジュエリーとの付き合い方。ナチュラルな華やかさに、思わず手を伸ばしてみたくなる。

フェミニンなボリュームスカートには
相反するムードのジュエリーでラフさを

スタイリストであり二児の母親として多忙な毎日を過ごす金子さん。ご自身のInstagramやYouTubeで公開している通り、身に着けたいものを自由自在に組み合わせながら楽しげに日々を彩る、そんなファッションスタイルに憧れを抱くファンも多い。

「こだわりが強いように思われがちですが実はなくて、スタイリングは感覚勝負。常に自由でいたい」。金子さんは自らをざっくばらんに振り返りながら、さらに「子どもと遊んでいてスカートの裾を踏まれても気にしない」と笑顔で続ける。

ルールに縛られない豊かな発想とあっさりした性格、そして人柄のよさ。絶妙なバランスを保つスタイリングの由来たちが形になって溢れ出す。

「レディライクにまとめたスタイリングは、ふわりと広がるフォルムのスカートが軸。ですが、全体が甘めになりがちな装いのときは、強さのあるカーブラインや大ぶりなデザインなど対極に位置したジュエリーを合わせると適度なラフ感を演出できるのでおすすめ。足元は肌が見えないロングブーツをセレクトしました。主流のショートブーツやサイドゴアとは違う、今らしいムードが楽しめるはずです」

あえてのマニッシュさで印象が華やかに

金子さんによるジュエリー選びのコツは、スタイリングに華を添えてくれる存在かどうか。自然へのオマージュを捧げた“Re-grow”のリング2種とフープピアスのミニマルな魅力がスタイリッシュさに磨きをかける。「ソリッドなデザイン性でアクセントにちょうどよく、存在感があるのでワンポイントアイテムとして着けるだけで印象が大きく変わりますよね。それでいてベーシックな装いとの相性がいいので、いつもと違う表情を楽しみたい方の気分にもぴったりだと思います」

デイリーなセットアップスタイルに
ジュエリーの遊び心を忍ばせて

ワンマイルウェアのようなデイリースタイルで、子どもたちと近くの公園へーーー。そんなひとときのコーディネートも、上品な佇まいに早変わりさせてしまうのが金子さん流のスタイリングテクニック。ポイントは素材のハリやボリューム感に注目しながら、動きのあるシルエットに仕上げること。ニュアンスの組み合わせ方がスタイルの底上げにつながると金子さんは語る。

「スウェット素材のセットアップは動きやすくて気軽な存在ですが、カジュアルに見えすぎてしまうことも。そんなときはダウンコートやスニーカーなど他のアイテムも同系色で揃えて綺麗にまとめるようにしています」

アイテムすべてのトーンを馴染ませることで、全身トータルのセットアップスタイルが完成。そして手元には、表面にマットな質感のヘアライン加工を施した“Raw”と2wayで着用できる“Ring Cuff”、2種類のリングが煌めく。

「相手も自分も目に留まりやすい手元は、華やかさやユーモアを演出してくれるリングでアクセントを。耳元にはシンプルなイヤリングを2つ並べて、肩肘張らない都会的なムードをさらっと楽しみたいですね」

毎日に映える大人ジュエリーの万能さ

無理はしたくないけれど、少し変わったデザインにも挑戦したい。そんな人におすすめなのが写真のリング&イヤリング。金子さんも「リングはボリューム感がある一方で、ハードルの高さを感じさせず大人の遊び心を満たしてくれる頼もしい存在。抜けがあって無骨になり過ぎないから、華奢なタイプのジュエリーと合わせても相性バッチリです。イヤリングは小ぶりなサイズなので片耳にカフのように複数着けるなどのアレンジを加えても上品にまとまる優秀アイテム。しっかりとピアス見えしてくれるのでピアスホールが空いていない人でも簡単に、気分でいろんなパターンを試すことができると思います」とリコメンド。

オンスタイルの意外な抜け感。
素材違いのバングルを重ねてみる

打ち合わせや洋服のリース、スタイリング組みに撮影など、金子さんの仕事モードのスタイルに必ず登場するアイテムの1つ、程よくハリ感があるネイビーのスラックス。

「ネイビーはワントーンで統一しても黒ほど重くならず、シックに仕上げられるところが魅力ですね」と金子さん。とは言っても、仕事モードに寄せすぎるとどうしてもお堅い雰囲気に……。ここで借りたいのがジュエリーの力。

「冬になるとニットを着る機会が増えますよね。袖上からバングルを見えるように重ね着けすることで、一層スタイリッシュなムードに。自分ではあまりやらないのですが、実は好きな着け方なので今回挑戦してみました(笑)。バッグもメタリックな素材感を選べばエッジがさらに効いてきて、抜け感としての効果も倍増です」

オケージョンにマッチするジュエリー選びも正解だけど、意外な着け方をしてみるとかえってモダンに見えてくる。まだ気づいていないジュエリーの楽しみ方が、きっと他にもたくさんあるはず。

1本ずつ違う表情。だから奥行きが生まれる

身に着けたバングルはすべて異なるデザイン。素材、太さ、加工が異なる4本をあえて選んだ理由について「シルバーとゴールドのジュエリーをミックスすることに抵抗がなく、むしろ一緒に着けるとスタイリングに奥行きが出てモダンに見えると思っていて。今回は欲張り仕様で4つ重ねてみました(笑)。心地よいバランスは感覚的にシルバーとゴールドで半々くらいかな」と金子さん。スタイリッシュかつ豊かな表情を演出してくれるバングルの魅力をぜひ自身でも試してみて。

金子綾|Aya Kaneko

スタイリスト。女性らしくてキレのある、シンプルベーシックなスタイリングが人気を集め、『Oggi』や『VERY』をはじめ数々の女性誌で活躍。Instagramのフォロワーは20万人を超えるほか、コーディネートやファッションネタが満載のYouTubeチャンネルも話題に。

Instagram @ayaaa0707